消費者保護のための法的整備



安心して安全に取り引きができるようにと、法律の改正等が行われました。(2002年3月現在)

(1)電子契約法・・民法の特例
「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」(2001年12月25日施行)が正式名称です。非常に長い法律名なので、通称「電子契約法」と呼ばれます。
契約の基本的な考え方を規定した民法は明治時代に作られた法律です。時代にあわせて改正が行われてきていますが、インターネット等の取り引きは想定していません。
そこで、電子商取引に対応できるようにと作られたのが「電子契約法」です。

「電子契約法」は消費者にとって、2つのメリットがあります。

1.消費者の操作ミスの救済・・確認措置を講じる
これまでの民法では消費者が「1個」申し込むつもりなのに、数字キーの「1」を2回打って「11」と入力してしまっても、民法では消費者の「重大な過失」であり、販売業者は「11」が有効であると主張できるようになっていました。
しかし「電子契約法」ではこの場合、販売事業者側が確認措置を講じているか否かを問います。つまり、消費者が申し込みの前に、申込み内容などを確認する画面を業者が作っていなければ、操作ミス等をした消費者が悪いとはいえなくなるというわけです。
もちろん、消費者自身もこの確認画面で操作ミスはないかと、チェックする必要はあります。

2.契約成立時期は、契約承諾の通知が申し込みの消費者に到達した時点で成立
従来は販売事業者が注文を受けた旨の承諾通知を発信したとき、つまり送った時が契約成立時期になっていました。しかし、インターネット上のトラブル等で商品が届かないということもありました。

そこで、「到達主義」を採用し、消費者にその承諾通知が届いた時点が契約成立時期となったのです。承諾の通知の到達時点とは、消費者が自らのメールサーバーにアクセス可能となった時点をいい、単に販売事業者が承諾通知を送っただけでは契約は成立しません。

 この法律はあくまでも民事ルールのため、違反した事業者への罰則は生じません。トラブルとなった場合には消費者が自ら事業者へ契約解除等を申し出る必要があるのです。
 ただ経済産業省では、法律の解釈を示すガイドラインをまとめました。
 その主なものは、
 ・消費者の注文を確認した業者側からの電子メールが「文字化け」していた場合は、契約は成立しない。
 ・他人になりすました契約は、名前を使われた個人や企業が申し込みを否定すれば、契約は無効になる。
  ただし、当事者の過失でパスワードなどが使われた場合は、その責任を負って契約は有効となる。
 ・モール内の出展業者がくもがくれした場合は、原則的にモールの運営者は責任は負わない。
というものです。

(2)「特定商取引に関する法律」・・電子商取引は通信販売のひとつの形態
この法律は2001年6月までは「訪問販売等に関する法律」の名称でしたが、訪問販売以外の5つの取引が盛り込まれるとともに、電子商取引を視野に入れながら名称変更とあわせて改正施行されました。

電子商取引は「通信販売」の一つの形態として規制されます。
その内容をみてみましょう。
・適用対象はカタログ、チラシ、ダイレクトメール等をみて郵便や電話、ファクシミリでの申込みやパソコン等での購入申込みであること
・政令で指定した商品、権利、役務の取引であること
・販売条件の記載義務があり、インターネット上でもカタログ上と同様の販売条件を記載すること
・販売条件を広告する場合の記載義務事項
 1.販売価格 
 2.支払時期 
 3.引き渡し時期 
 4.返品特約に関する事項(特約がないときは「ない」ことを記載)
 5.事業者名、住所 
 6.申し込み有効期限があるときはその期限 
 7.その他の負担金 
 8.瑕疵担保責任に関する特約 
 9.その他の販売条件(消費者の請求時のみ、書面を交付する旨を表示したときは省略できる)書面は電子メールによるデータ送付、ウェブサイトにアクセスしてデータ取り込みの方法も認められている。

通信販売はカタログなどを見て、自分の意思で買うことを決め自分で申し込みをするもので、訪問販売のような不意打ち的な要素がないため、クーリングオフ制度はありません。しかし、事業者が自主的に返品を受け付けるという特別な約束があれば、その条件を明記しなければなりません。返品特約がなければ、返品を受け付けないことを明記するようになっています。