丹後の高級シルクに耐摩耗性.防縮性をプラス!
| 従来の織物の耐摩擦加工や防縮加工は、 繊維の表面に樹脂をコーティングするものであり、 生地が固くなったり、耐久性が劣化するなどの ディメリットがありました。 ハイパーシルクは、相間移動触媒を採用して、繊維の 内側からの処理を可能にしています。 洗濯機で丸洗いしても、生地が傷まず、縮まない! ハイパーシルクが単なる加工でなく、絹を超えた 「 未来から来た 絹 」と呼ばれるゆえんです。 右の電子顕微鏡写真−Aは摩擦で裂けた絹繊維 Bはハイパー加工をして傷つかない繊維断面 |
A
B |
ハイパーシルク加工は、丹後織物工業組合、京都府織物指導所、
京都工芸繊維大学が、7年前に実用化のメドをつけて、
共同研究を続け、完成した絹織物の繊維を守る特殊加工です。
丹後の高級シルクには最適の加工で、着用頻度の多い
シルク製品に生地の段階で処理を施しておくと、
家庭での洗濯が可能な上に、摩擦に対して強い防スレ性、
水に濡れても縮まない防縮性を持たせ、洗濯後のシワの
発生率も少なくポリエステルや綿製品を越える数値を示している。
特に生地の横方向への収縮率は、2%台にまで向上し、
家庭洗濯機での製品洗いを可能にし、黄バミなどの黄変も
防ぐ効果が見られている。
もちろん、絹本来の光沢やしなやかさ、ソフト感などの
すぐれた風合いを恒久的にたもちます。
HYPER SILK 理論
「 ケミカル 」が時代のキーワードとして、クローズアップされてきた。
何でも理屈や理性で解決しようとする、文系の論理に限界が見えてきたからか?
「 すべての物質の、最小単位の構成要因を分子とみれば、ゴミから食料を
つくりだすことも理論上は可能なはず 」とハイパーシルク開発メンバーの一人
浅井紀夫( 京都府織物指導所技師 )は言う。
浅井は母校の京都工芸繊維大学、勤務先の京都府織物指導所、丹後織物工業組合の
共同プロジェクトであるハイパーシルクの開発に携わってきた。
ハイパーシルクはポリエチレングリコールを世界で初めて相間移動触媒として
用いた画期的な発明として、米国の高分子化学学会で高い評価を受けました。
相間移動触媒とは、簡単に言うと本来溶け合うはずのない水と油のどちらにも
良く溶けて、水・油の間を往き来する物質である。
(1971年、アメリカの学者スタークスが命名した)
ハイパーシルクプロジェクトは、あらかじめ絹にポリエチレングリコールを吸着
させることで、繊維内部に反応場を形成させ、そこに樹脂をトラップさせる
試みから始まった。
これにより、家庭で洗濯できて、自分で洗えて、しかも絹の宿命ともいえる黄ばみや
縮み、スレ( 傷 )、を最小限に抑えることが可能になった。
科学会の最高峰「 アメリカ国際科学会議 」 ( American Chmical society National
Meeting and Exposition ) でも高分子化学部会でノーベル賞受賞者など権威ある
学者たちの評価を得た。
ところが、日本はまだご存知の通り「 形状記憶 ・形態安定 」全盛である。
縫製後にホルマリンガスを吹き付ける、生地に樹脂処理をして光熱をあてるといった、
「 後づけ 」の加工技術が主流である。
これらの加工は、「 シワ、型崩れ 」を防ぐ一方で、生地の持つ風合いや、
着ているうちにできる自然なシワさえも衣服から奪い去る。
本来、木綿が加工対象だが十分な効果が見込めず、現在は綿・ポリエステルの
混紡シャツとなっている。
洗濯しても劣化しない絹の風合いや肌触りにこだわったハイパーシルクとは、
発想からして違うのである。
そして、ハイパーシルクは進歩している。
繊維内部にブラックホールのような反応場を作り出せたのだから、
もっと中心付近にそれをつくれないか。といった疑問がプロジェクトチームによって
現実のものとなりつつある。
丹後ちりめんのように強い撚糸を使う織物には、15%縮む一越ちりめん
25%縮む古代ちりめん、50%縮む楊柳ちりめんや、20%くらい縮むのが
あたりまえだったハレス・デシンクレープなどがあるが、沸騰水へ30分間浸しても
見事に縮まない技術が現実の物となっている。
もちろん、絹本来の風合い、手触り、審美性はそのままにである。
丹後の絹はハイパーシルクになることで、絹がなれなかったものに
なろうとし始めているのだ。
| 構造的収縮には2つの ものがあって、その1つは製織や 加工工程で引き伸ばされた ことによる歪みの開放で、 もうひとつは、糸の膨潤に起因する 変形によるものである。( 図 ) 膨潤による収縮というのは、図の Bの状態が洗濯して水を含むと 糸の断面方向に太くなり Cのように縦糸の波形を押し上げ ( 下げ )る状態(クリンプの増大 )となり 縦糸は安定化するように動き 結果として、縦方向に収縮が生じる。 またAは、製織、加工工程で縦方向に 引き伸ばされた状態であり、 これを安定化する収縮(A → B)と 膨潤作用による収縮( B → C) が合わされて、織物の大きい収縮となるのです。 |
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詳しくは、京都府織物指導所へお問い合わせください。
電話番号 0772−62−0074
