「 未来から来た絹 」 ハイパーシルクについて

ハイパーシルク製品展示10/25

丹後の高級シルクに耐摩耗性.防縮性をプラス!


ハイパーシルクのドレス


従来の織物の耐摩擦加工や防縮加工は、
繊維の表面に樹脂をコーティングするものであり、
生地が固くなったり、耐久性が劣化するなどの
ディメリットがありました。

ハイパーシルクは、相間移動触媒を採用して、繊維の
内側からの処理を可能にしています。

洗濯機で丸洗いしても、生地が傷まず、縮まない!
ハイパーシルクが単なる加工でなく、絹を超えた
「 未来から来た 絹 」と呼ばれるゆえんです。

右の電子顕微鏡写真−は摩擦で裂けた絹繊維
はハイパー加工をして傷つかない繊維断面





              ハイパーシルク加工は、丹後織物工業組合、京都府織物指導所、
              京都工芸繊維大学が、7年前に実用化のメドをつけて、
              共同研究を続け、完成した絹織物の繊維を守る特殊加工です。

              丹後の高級シルクには最適の加工で、着用頻度の多い
              シルク製品に生地の段階で処理を施しておくと、
              家庭での洗濯が可能な上に、摩擦に対して強い防スレ性、
              水に濡れても縮まない防縮性を持たせ、洗濯後のシワの
              発生率も少なくポリエステルや綿製品を越える数値を示している。

              特に生地の横方向への収縮率は、2%台にまで向上し、
              家庭洗濯機での製品洗いを可能にし、黄バミなどの黄変も
              防ぐ効果が見られている。

              もちろん、絹本来の光沢やしなやかさ、ソフト感などの
              すぐれた風合いを恒久的にたもちます。



HYPER SILK 理論
「 ケミカル 」が時代のキーワードとして、クローズアップされてきた。
何でも理屈や理性で解決しようとする、文系の論理に限界が見えてきたからか?

「 すべての物質の、最小単位の構成要因を分子とみれば、ゴミから食料を
つくりだすことも理論上は可能なはず 」とハイパーシルク開発メンバーの一人
浅井紀夫( 京都府織物指導所技師 )は言う。

浅井は母校の京都工芸繊維大学、勤務先の京都府織物指導所、丹後織物工業組合の
共同プロジェクトであるハイパーシルクの開発に携わってきた。
ハイパーシルクはポリエチレングリコールを世界で初めて相間移動触媒として
用いた画期的な発明として、米国の高分子化学学会で高い評価を受けました。

相間移動触媒とは、簡単に言うと本来溶け合うはずのない水と油のどちらにも
良く溶けて、水・油の間を往き来する物質である。
             (1971年、アメリカの学者スタークスが命名した)

ハイパーシルクプロジェクトは、あらかじめ絹にポリエチレングリコールを吸着
させることで、繊維内部に反応場を形成させ、そこに樹脂をトラップさせる
試みから始まった。
これにより、家庭で洗濯できて、自分で洗えて、しかも絹の宿命ともいえる黄ばみや
縮み、スレ( 傷 )、を最小限に抑えることが可能になった。

科学会の最高峰「 アメリカ国際科学会議 」 ( American Chmical society National
Meeting and Exposition ) でも高分子化学部会でノーベル賞受賞者など権威ある
学者たちの評価を得た。
ところが、日本はまだご存知の通り「 形状記憶 ・形態安定 」全盛である。
縫製後にホルマリンガスを吹き付ける、生地に樹脂処理をして光熱をあてるといった、
「 後づけ 」の加工技術が主流である。
これらの加工は、「 シワ、型崩れ 」を防ぐ一方で、生地の持つ風合いや、
着ているうちにできる自然なシワさえも衣服から奪い去る。
本来、木綿が加工対象だが十分な効果が見込めず、現在は綿・ポリエステルの
混紡シャツとなっている。
洗濯しても劣化しない絹の風合いや肌触りにこだわったハイパーシルクとは、
発想からして違うのである。

そして、ハイパーシルクは進歩している。
繊維内部にブラックホールのような反応場を作り出せたのだから、
もっと中心付近にそれをつくれないか。といった疑問がプロジェクトチームによって
現実のものとなりつつある。

丹後ちりめんのように強い撚糸を使う織物には、15%縮む一越ちりめん
25%縮む古代ちりめん、50%縮む楊柳ちりめんや、20%くらい縮むのが
あたりまえだったハレス・デシンクレープなどがあるが、沸騰水へ30分間浸しても
見事に縮まない技術が現実の物となっている。
もちろん、絹本来の風合い、手触り、審美性はそのままにである。

丹後の絹はハイパーシルクになることで、絹がなれなかったものに
                                            なろうとし始めているのだ。







汗を吸って暖かい絹

その1 絹が吸湿性、保温性に優れる理由 衣類の保温性はその衣類の素材よりも、 衣類の中に空気をいかに閉じ込めておくかに かかっていると言われている。 ウールが暖かいのは、ウールの糸自身が弾力性を持っていて 多くの空気を含む事ができるからである。 だからセーター、コートなど暖をとるための衣類に多く用いられている。 一方、絹には空気を多く含む要素はない。それどころかウールや木綿は短繊維で 嵩高く、空気を多く含みやすいのに対し、絹は長繊維で空気を含みにくい。 しかし、絹のブラウス、シャツを着用した人は暖かいという。絹は吸湿性・保温性が良いためである。 絹の衣料が暖かい理由はどの専門書にも記載されていない。 おそらく、絹が実質的な衣料としてはあまり用いられていなかったためだろう。 実験データにより、湿度が非常に高い環境では絹は優れて吸水性が高いことが分かってきた。 絹は、生体関連のタンパク質である。動物内のタンパク質はいつも水に囲まれている。 動物の皮膚のように表皮を形成するタンパク質は、常に変性して新陳代謝を繰り返して 再生を余儀なくされている。だから衣類になった絹は水分を歓迎する。 人体から放出された汗は、絹に好んで吸収され、飽和水分は発散される。 絹はいつも十分な水分を含んで生き生きとしている。 水は言うまでもないが、比熱が極端に大きく熱を大量にため込む。 水を多く含んだ絹は暖まりにくいが、一度暖まれば冷えにくい。 絹が吸湿性・保温性に優れる所以である。 (肌触りの良い理由) 水を適度に含んだ絹は、水を得たタンパク質そのもので、しっとりとした、 いわば風呂上がりの人肌の感触を与えてくれる。 蚕のさなぎを外敵から守り、暑さ寒さをしのぐために作られた絹は、 これほどまでにすばらしい衣類を提供してくれているのである。

織物の縮む原因とメカニズム

その2 織物の収縮の機構 合成繊維や合繊混紡織物は、熱セットによって容易に 防縮効果が得られますが、綿、絹、毛のような 天然繊維は何らかの防縮加工を施さないと 防縮効果は得られず、又、十分な効果を得ることも難しいです。 しかし、ハイパーシル( ハイパーロック)は 強撚糸を用いたちりめん類でも十分な防縮効果が得られます。 さて、織物は洗濯するとなぜ縮むのか? これを防ぐにはどうすればよいのか? ハイパーシルクの防縮のメカニズムについて考えてみましょう。 このメカニズムは、大変複雑で、まだ未解明の部分が多いのですが、 現在考えていることを紹介したいと思います。 布は洗濯するとひどいものでは30%以上も縮むものもあるが、 織物、糸を構成する繊維自身の収縮率は2%以下の小さい値である。 それが織物になった場合に大きい収縮となるのは、 織物の構造上から起因するものと考えられている。
構造的収縮には2つの
ものがあって、その1つは製織や
加工工程で引き伸ばされた
ことによる歪みの開放で、
もうひとつは、糸の膨潤に起因する
変形によるものである。( 図 )

膨潤による収縮というのは、図の
Bの状態が洗濯して水を含むと
糸の断面方向に太くなり
Cのように縦糸の波形を押し上げ
( 下げ )る状態(クリンプの増大 )となり
縦糸は安定化するように動き
結果として、縦方向に収縮が生じる。

またAは、製織、加工工程で縦方向に
引き伸ばされた状態であり、
これを安定化する収縮(A → B)と
膨潤作用による収縮( B → C)
が合わされて、織物の大きい収縮となるのです。
このように、よこ糸相互の間隔が減少することによって収縮が増大するが、 よこ糸相互が非常に接近している場合は、たて糸が両端のよこ糸で圧迫されて いるために、よこ糸相互をさらに接近させることが出来ずに 織物の収縮にある程度限度が現れる。 ここでは、たて糸方向の収縮を見てきたが、よこ糸方向の収縮も同様である 詳しくは、京都府織物指導所へお問い合わせください。 電話番号 0772−62−0074

ハイパーシルクの先生発見!
京都府織物指導所の中田さん
このスーツもワイシャツも
ハイパーシルクだそうです。